はじめに
介護の現場で働いていると、「認知症の方への関わり方を、きちんと体系立てて学びたい」と感じる場面は多いと思います。運営者自身も作業療法士・ケアマネジャーとして働く中で、認知症ケアの知識の大切さを何度も実感してきました。

この記事では、介護・医療職のキャリアアップ資格として知られる「認知症ケア専門士」について、受験資格や試験の流れ、似た資格との違いを調べてまとめました。
認知症ケア専門士とは
認知症ケア専門士は、一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する民間資格です。認知症についての知識だけでなく、ケアの技術や倫理観を備え、現場で質の高い認知症ケアを提供できる専門職であることを示す資格として位置づけられています。
国家資格ではありませんが、介護福祉士・看護師・ケアマネジャーなど、すでに専門職として働いている人が「次のステップ」として目指すことの多い資格です。
受験資格
受験するには、認知症ケアに関する実務経験が過去10年間のうちに3年以上あることが必要です(たとえば2026年度試験の場合、2016年4月1日〜2026年3月31日の間に3年以上)。
特定の国家資格は求められていないため、介護職員・看護職・相談員・リハビリ職など、認知症の方のケアに携わってきた人であれば職種を問わず受験を目指せます。誰でも受けられる入門資格ではなく、実務経験を積んだ人向けの資格という点が大きな特徴です。
試験の内容と流れ
試験は第1次試験と第2次試験の2段階です。
- 第1次試験(Web試験):「認知症ケアの基礎」「認知症ケアの実際Ⅰ:総論」「認知症ケアの実際Ⅱ:各論」「認知症ケアにおける社会資源」の4分野。各分野とも五肢択一の問題で、すべての分野で一定の正答率(7割程度)が求められます。
- 第2次試験(論述試験):第1次試験に合格すると、認知症ケアの事例問題が届き、それに対する論述(小論文)を提出します。
第1次試験は分野ごとに合否が判定され、合格した分野は5年間有効です。そのため、1年で4分野すべてを狙うのが難しい場合は、2年かけて分けて合格を目指すこともできます。
受験料や試験日程、第2次試験の事例の数などは年度によって改定されることがあるため、受験前に必ず日本認知症ケア学会の公式サイトで最新情報を確認してください。
資格取得後の更新について
認知症ケア専門士は5年ごとの更新制です。更新には、5年間で30単位以上を学会主催の講座などに参加して取得する必要があります。取って終わりではなく、学び続けることが前提の資格だと考えておくとよいでしょう。
認知症介助士・認知症ライフパートナーとの違い
認知症に関する資格はほかにもあります。ざっくり整理すると、次のような違いがあります。
- 認知症介助士:受験資格がなく、誰でも学べる入門的な資格。家族介護や接客業の人にも向いています。
- 認知症ライフパートナー:認知症の方の生活をその人らしく支える視点を学ぶ検定。基礎級から受けられます(運営者も取得しています)。
- 認知症ケア専門士:実務経験3年以上が必要で、試験も2段階。現場の専門職としてのキャリアアップ向けです。
「まずは知識を身につけたい」なら認知症介助士や認知症ライフパートナー、「介護・医療職として専門性を証明したい」なら認知症ケア専門士、という選び方がわかりやすいと思います。
試験対策の進め方
第1次試験は4分野それぞれ範囲が広いため、公式テキストを中心に、問題を解いて理解度を確かめながら進めると効率的です。
この資格を活かせる職場・活躍の場
認知症ケア専門士の資格や知識を活かせる主な職場・活躍の場は、次のとおりです。

- 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・グループホーム
- 認知症対応型デイサービス
- 病院(認知症治療病棟・一般病棟など)
- 地域包括支援センター・居宅介護支援事業所
気になる点・注意しておきたいこと
良い面だけでなく、申し込む前に知っておきたい点も整理しておきます。
- 受験には、過去10年間で3年以上の認知症ケアの実務経験が必要で、未経験の方はすぐには受けられません。
- 1次試験に合格したあとに2次試験(論述)もあり、合格までに時間がかかります。
- 資格は更新制なので、取得後も学会や講座への参加などで単位を集める必要があります。
こんな人には向いていないかもしれません:まず認知症ケアの基礎を学びたい方は、受験資格のない「認知症介助士」から始める方法もあります。
どんな人に向いている資格か
- 介護・医療の現場で3年以上、認知症の方のケアに関わってきた人
- 職場で認知症ケアのリーダー役を任されている、または目指している人
- 介護福祉士やケアマネジャーの次のキャリアアップ先を探している人
- 根拠のある認知症ケアを学び直したい人

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まとめ
認知症ケア専門士は、実務経験3年以上が必要で、2段階の試験と5年ごとの更新がある、専門職向けの資格です。そのぶん、取得すれば認知症ケアについて体系的に学んできたことを示せます。受験を考えている方は、まず公式サイトで今年度の日程と受験料を確認し、第1次試験の4分野から計画的に対策を進めていきましょう。
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